このような症状でお悩みの方はご相談ください
性感染症は、必ずしも症状が発現するとは限りません。症状がないからと言って、安心できるわけではありません。以下のような症状や心配事がある場合は、お早めに神戸三宮きのした内科へご相談ください。
- 排尿時の痛みや違和感・不快感がある
- 尿道から膿が出る・下着が汚れる
- パートナーが性感染症(クラミジア・淋病・梅毒など)と診断された
- 陰部にできもの(いぼ、水ぶくれ、斑点など)がある
- 口での性的接触後、喉の痛みが続く
- 自分が性病(性感染症)であるかどうかが心配
早めの検査・治療は、自分だけでなく、相手を守ることにもつながります。
性感染症(性病)とは
性病とは、様々な病原体が、主に性的な身体接触を介してヒトからヒトへ伝播する感染症の総称です。正式には「性感染症」と言い、英語では「STD(Sexually Transmitted Diseases)」や、「STI(Sexually Transmitted Infections)」などと呼ばれています。
性感染症(STD)は、必ずしも自覚症状があるとは限らない病気です。そのため、感染に気づいた時にはすでに多くの人に伝染していることも考えられます。
性感染症(性病)にかかる
感染経路
性感染症は接触感染ですが、とりわけ粘膜同士の接触が最も感染リスクが高いと考えられています。「性行為」というと、一般的には男女間の経腟性交を指すと思われるかもしれませんが、実際にはキス・オーラルセックス・アナルセックスなど、粘膜同士が接触する可能性の高い行為すべてに性感染症のリスクがあります。
また、粘膜同士の直接的な接触がなくても、愛撫などの皮膚同士の接触や性玩具・ローションなどのモノを介して感染することもあります。
診察の流れ
1受付・問診
まず記入型の問診で症状や心配な点をお伺いします。プライバシーに配慮した環境で、安心してご相談いただけます。必要に応じて、詳しい症状や感染の可能性がある時期などを確認いたします。
2診察・検査
性感染症は様々な病原体により引き起こされますが、病原体や感染部位(例 のど、性器、直腸肛門など)よってその検査方法(例 のどの拭い液検査、尿検査、直腸スワブ検査など)は異なります。そのため、現在の症状に応じてある程度対象を絞って検査する必要があります。
*当院では女性の性器の視診や触診については、患者様への配慮を目的として行っておりません。同部位の視診、触診が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介させて頂きます。
3検査結果の説明
検査内容によって結果が判明するまでに必要な日数は異なります。
4治療開始
検査結果に基づいて、適切な治療を開始します。ただし、感染症の種類によっては、受診当日から抗生物質での治療を開始することもあります。また、性感染症の治療はご本人だけでなく、パートナーの方の検査や治療もとても重要です。当院ではご希望される場合はプライバシーに配慮しながら、パートナーの方への対応についても丁寧にご相談させていただきます。
性感染症(性病)の種類と治療
当クリニックでは、様々な性感染症の診断・治療に対応しております。ただし、尖圭コンジローマや女性のクラミジア頸管炎などについては、当クリニックでは診療を行っておりませんので、適切な医療機関をご紹介させていただきます。
クラミジア感染症
性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスと言う細菌による感染症で、性感染症の中で、最も頻度の高い感染症です。潜伏期間は、1~3週間です。男性では尿道のかゆみや違和感、排尿時の痛みなどの症状が現れます。
※女性のクラミジア頸管炎については、当クリニックでは診療を行っておりません
治療方法
抗生物質(内服薬)の投与を行います。適切な抗生物質を処方し、指示通りに服用していただきます。
治療期間と注意点
1~2週間程度の治療期間が必要です。投薬の2週間後に、治癒確認の再検査が必要です。咽頭・尿・肛門という部位ごとに感染の有無を確認する必要があり、淋菌・マイコプラズマと同時に感染することが多いです。
淋菌感染症
淋菌感染症は、「淋病」と呼ばれることもありますが、淋菌という細菌による感染症です。潜伏期間は、2~7日程度です。男性の性器の感染の場合は、強い排尿時痛や尿道から膿が出ることが多く、尿道炎を来たす性感染症の中では、比較的強い症状が出る傾向にあります。
治療方法
抗生物質の静脈投与や筋肉投与を行います。抗生剤内服も考慮される場合があるため、症状の程度により治療法を選択いたします。
治療期間と注意点
1~2週間程度の治療期間が必要です。投薬の2週間後に、治癒確認の再検査が必要です。咽頭・尿・肛門部位ごとに感染の有無を確認する必要があり、クラミジア・マイコプラズマと同時に感染することが多いです。
マイコプラズマ感染症
マイコプラズマには様々な種類があり、特に性感染症で問題になるのが、マイコプラズマ・ジェニタリウムと呼ばれるタイプです。潜伏期間は、数日から5週間程度と言われています。
治療方法
抗生物質(内服薬)の投与を行います。クラミジア感染症に比べて、抗生剤が効きにくい傾向にあります。
治療期間と注意点
2週間前後の治療期間が必要です。投薬の2週間後に、治癒確認の再検査が必要です。淋菌・クラミジアと同時に感染することが多いです。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという菌による性感染症です。梅毒トレポネーマは粘膜や皮膚の小さな傷から体内に侵入し、血液やリンパの流れに乗って全身に拡がって様々な症状を引き起こします。潜伏期間は、10~90日とされています。
治療方法
ペニシリン系抗生剤の筋肉注射、もしくは内服薬(飲み薬)の投与を行います。
治療期間と注意点
第1期は4週間、第2期は8週間の治療が必要です(内服投与の場合)。血液検査の数値の経過を見ながら、治療を継続するかどうか判断する必要があります。
性器ヘルペスウイルス
感染症
性器ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。潜伏期間は、2~10日とされています。一度感染すると、ウイルスは体内に残り続け、完治が難しい感染症です。
治療方法
抗ヘルペスウイルス内服薬、外用薬の投与を行います。症状に応じて適切な薬剤を選択いたします。
治療期間と注意点
5~10日程度の治療期間が必要ですが、再発リスクが高いです。神経に潜み完治が困難で、何度も再発することもあります。
性器カンジダ症
性器カンジダ症は、カンジダというカビによる皮膚の感染症です。実際にはカンジダは常在菌で、皮膚や口腔、消化管、膣などに存在しています。
治療方法
抗真菌外用薬(塗り薬)投与を行います。症状の程度により、内服薬を併用する場合もあります。
治療期間と注意点
2~4週間程度の治療期間が必要です。性行為以外でも感染する常在菌であり、再感染・再発のリスクがあります。
トリコモナス症
トリコモナス症は、トリコモナス原虫による性感染症です。潜伏期間は、2週間前後とされています。男性では無症状のことが多いですが、症状が見られる場合は排尿時痛を認めることがあります。
治療方法
抗原虫薬(内服薬)投与を行います。
治療期間と注意点
10日間程度の治療期間が必要です。抗原虫薬投与後、2週間後に治癒確認の再検査が必要です。
HIV・エイズ
HIV(Human Immunodeficiency Virus・ヒト免疫不全ウイルス)感染は、HIVというウイルスに感染した状態を指します。潜伏期間は、感染後1~6週間で抗体が作られ、その後数年をかけて発症するとされています。
治療方法
エイズの発症を防ぐために複数の抗HIV薬を服薬し続ける必要があります。
治療期間と注意点
継続的な治療が必要となります。当クリニックでは検査・初期対応を行い、検査で陽性となった場合や、非常に疑わしい場合は、専門医療機関にご紹介させて頂きます。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症です。潜伏期間は、3週間~8ヶ月と幅があります。症状としては、痛みを伴わないカリフラワーのようなイボが出現することです。
※尖圭コンジローマについては、当クリニックでは診療を行っておりませんので、適切な医療機関をご紹介させていただきます。
性感染症(性病)の検査
性感染症は様々な病原体により引き起こされますが、病原体によってその検査方法は異なります。そのため、現在の症状に応じてある程度対象を絞って検査する必要があります。
尿検査
採尿カップに尿を採取していただく検査です。痛みはなく、クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、トリコモナスなどの検査が可能です。
うがい
生理食塩水でうがいをしていただき、その液を検査に使用します。のど(咽頭)のクラミジアや淋菌の感染を調べることができます。
血液検査
腕の静脈から少量の血液を採取します。梅毒、HIV、性器ヘルペスの抗体検査などを行うことができます。
皮膚擦過検査
患部を綿棒で軽くこすって検体を採取します。性器カンジダ症や症状がある時の性器ヘルペス検査に使用します。
性感染症検査一覧表
検査項目 | 検体採取方法 | 通常所要日数 |
クラミジア(性器) | 尿 | 3日 |
---|---|---|
クラミジア(咽頭) | うがい | 3日 |
淋菌(性器) | 尿 | 3日 |
淋菌(咽頭) | うがい | 3日 |
マイコプラズマ・ジェニタリウム(性器) | 尿 | 7日 |
マイコプラズマ・ジェニタリウム(咽頭) | うがい | 7日 |
トリコモナス | 尿 | 7日 |
梅毒 | 血液 | 7日 |
HIV | 血液 | 7日 |
※検査費用が保険適用となるのは、症状がある方や、パートナーに感染が確認された方に限ります
性感染症(性病)の検査費用
*当院ではクラミジアについては、咽頭クラミジアは男女ともに診療しますが、女性の性器(子宮頸管)クラミジアについては診療しておりません。希望される場合は婦人科を受診下さい。
*淋菌とクラミジアは同時に感染していることも多いので、当院では単独での検査は推奨しておりません。
*以下、「淋菌、クラミジア」は性器感染を表し、咽頭感染については「咽頭淋菌、咽頭クラミジア」とします。
性感染症検査費用一覧
診察料 | 1,000円 |
---|
※診察料1,000円に加えて以下のセットメニューの費用となります。
※検査費用が保険適用となるのは、症状がある方や、パートナーに感染が確認された方に限ります。
検査項目 | 保険診療の費用 | 自費診療の費用 |
淋菌・クラミジア(性器) | 約2,500円程度 | 4,000円(税込) |
---|---|---|
淋菌・クラミジア(性器)+マイコプラズマ | 約5,000円程度 | 8,000円(税込) |
淋菌・クラミジア (性器+咽頭) |
約5,000円程度 | 8,000円(税込) |
淋菌・クラミジア (性器+咽頭) +マイコプラズマ |
約7,000円程度 | 12,000円(税込) |
淋菌・クラミジア(性器)+梅毒+HIV+B・C型肝炎 | 約6,000円程度 | 9,000円(税込) |
淋菌・クラミジア (性器+咽頭)+梅毒+HIV+B・C型肝炎 |
約7,000~12,000円程度 | 13,000円(税込) |
淋菌・クラミジア (性器+咽頭)+マイコプラズマ+梅毒+HIV+B・C型肝炎 |
約8,000~13,000円程度 | 17,000円(税込) |
淋菌・クラミジア (性器+咽頭)+マイコプラズマ+ウレアプラズマ+トリコモナス+梅毒+HIV+B・C型肝炎 |
約10,000~15,000円程度 | 21,000円(税込) |