- こんなお悩みはありませんか?セルフチェック
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因
- 睡眠時無呼吸症候群の方に見られやすい顔つきの特徴
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると…
- 当クリニックで行う検査と流れ
- CPAP療法
こんなお悩みはありませんか?セルフチェック
睡眠中
男性
下記のような分かりやすい、典型的な症状が多い
- 大きないびきをかく
- いびきが途切れて「呼吸が止まっている」と指摘される
- 何度も目が覚める・咳をする、息苦しさや寝汗がある
- 起床時や日中に頭痛や眠気がある、熟睡感がない、口が渇く
女性
男性と比較して気づかれにくい、非典型的な症状が多い
- 寝ても疲れがとれない、だるい
- 夜間に目が覚める、眠りが浅い
- 日中に気分が落ち込む、集中力がない
- 肩こり、頭痛がする
- いびきはあっても軽度のみである
- 太っていなくても、あごが小さい体型
- 更年期以降に症状が悪化した
上記に複数あてはまる方は、SASの可能性がありますので、お早めに当クリニックまでご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠中に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が止まる・浅くなる状態が繰り返される病気です。診断には、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の合計回数(AHI=無呼吸低呼吸指数)を用い、一般に AHIが5以上 で症状(強い眠気など)を伴う場合にSASと診断します。重症度は 軽症:5〜15、中等症:15〜30、重症:30以上 に分類されます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因
- 肥満・首が太い
- 顎が小さく、舌が落ち込みやすい形態
- 就寝前の飲酒・喫煙・仰向け寝の習慣
- 鼻炎や扁桃肥大など上気道の狭窄
上記のような原因は一つとは限らず、複数が重なっていることが多くあります。
睡眠時無呼吸症候群の方に見られやすい顔つきの特徴
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のある方には、気道が狭くなりやすい骨格や筋肉の特徴が見られることがあります。主な傾向として以下が挙げられます。
下あごが小さい・後方に下がっている(下顎後退)
舌が喉の奥に落ち込みやすく、睡眠中に気道を塞ぎやすい要因となります。
顔の下半分が長い・面長に見える
口呼吸の習慣や顎の発達不足が関係する場合があります。
口元が開きやすい・唇が閉じにくい
慢性的な口呼吸により、口周りの筋肉が緩みやすくなります。
首が太い・脂肪が付きやすい
気道周囲が圧迫され、呼吸がしづらくなる要因となります。
上記のような特徴が必ずしもSASの方すべてに当てはまるわけではありませんが、顔の骨格や筋肉のバランスが気道の狭さに影響することが多いとされています。
「いびきが大きい」「朝すっきり起きられない」といった症状がある方は、外見の特徴だけで判断せず、検査による確認が大切です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると…
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放ったままにしておくと、交通事故リスクの上昇や、高血圧・糖尿病・不整脈・脳卒中・心筋梗塞などの合併症リスクが高まることが知られています。仕事や学業のパフォーマンス、生活の質(QOL)にも影響します。
当クリニックで行う検査と流れ
当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断のために簡易型PSG検査(ポリソムノグラフィー) から、確定診断を目的とした精密型PSG検査まで対応しています。ご自宅で負担少なく確定診断を目的とした検査を行うことができ、また検査結果やライフスタイルに応じた治療の相談までさせて頂きます。
睡眠時無呼吸症候群の重症度
検査で算出される AHI(無呼吸・低呼吸指数) は、1時間あたりに呼吸が止まった・浅くなった回数を示す数値です。
AHIが5以上で、日中の強い眠気などの症状を伴う場合に「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。
| 重症度 | AHIの範囲 |
|---|---|
| 軽症 | 5~15 |
| 中等症 | 15~30 |
| 重症 | 30以上 |
検査の流れ
1外来受診・問診
症状や生活習慣、既往歴をうかがいます。必要に応じて血圧・採血・心電図なども併せて評価します。
2自宅での簡易PSG検査
簡易型PSG検査は、睡眠時無呼吸症候群の初期スクリーニングとして行う検査です。
装置は小型で、ご自宅で普段通りに眠りながら測定できます。
測定項目
- 呼吸の状態(鼻のセンサー)
- 酸素飽和度(指先のセンサー)
- 胸部・腹部の呼吸運動(ベルト)
- 心拍数などの生体データ
寝る前に装置を装着し、翌朝取り外していただくだけで終了です。
入院の必要もなく、負担が少ない検査です。
3外来にて結果説明
結果説明の際にAHIの数値や睡眠中の状態を確認し、重症度に応じた追加精査や治療方針をご提案します。
重症の方には、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)による治療をご案内します。
4自宅での精密PSG検査(必要時)
簡易検査の結果、
- 重度のいびきや呼吸停止が頻回に見られる
- 強い日中の眠気がある
- 睡眠の質をより詳しく調べる必要がある
費用の目安
- 保険適用(3割負担)で約12,000円前後(別途診察料)
入院施設で行う場合は一般的に 3~5万円程度かかるため、ご自宅での検査は金銭的・精神的にも負担が少ない方法です。
CPAP療法
当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療にCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を採用しています。
就寝時に専用のマスクを装着し、一定の圧で空気を気道に送り込むことで、閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸を改善します。
治療を続けることで、熟睡感の向上・日中の眠気や頭痛の改善・夜間の頻尿減少などが期待できます。
また、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の改善にも良い影響があるとされています。
初期はマスクや空気圧に慣れるまで時間がかかる場合がありますが、調整と継続的なフォローを行うことで、多くの方が快適に使用できるようになります。侵襲が少なく効果の高い、標準的な治療法です。